何処へもでかけず〜
壷坂
壺阪のお話させていただくつもりではなかったのですが、写真を送ってしまったので〜。観音サマは私彦人、沢市は我當、ご存知十三代目の前名。この写真は昭和23年2月の京都座か、24年7月、東京築地の東劇。どちらかです。父はこの壺阪がすきで、しょっ中沢市を東西の劇場、巡業で演じ、最後に勤めたのは劇場でなく、NHKでの特別公演映像で、この時初めて私に「お里」を勤めさせてくれました。その時父は澤村小主水さんという年長の女形さんに、三十六歳で散った彼小主水さんの師匠、花形役者の先々代の宗之助さんの型をわたしに教えてくれるようにたのんでくれたのです。古風で派手、素敵な型! この時の義太夫か岡太夫 弦二郎という夢のような浄瑠璃!あの時の感動はいまだに忘れることができません。いま本興行のお里は勿論紀伊國屋宗之助さんの型で勤めさせていただいていますし、人に教えるときはこの型を継承しています。最近では市川九團次君の会で、千壽がお里を勤めさせていただいた時も宗之助型をベースにしました。それにしても、月日は容赦なく流れます、NHKのときお世話になった、父を始め岡太夫弦二郎さん、小主水さん〜。皆さんずっと以前にアチラの劇場、、私の観音サマの写真も今の私より少しわかいかも知れません。
iPhoneから送信
iPhoneから送信